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2009年12月の1件の記事

2009/12/23

浮世絵の魅力

 東京国立博物館に行ってきた。
 2年前の”大徳川展”以来になるだろうか、久しぶりの上野である。

 私には『世界中の名画を観尽くしたい』という公僕時代の友人がいる。彼にオススメの作品があるかどうかわからないが、国立博物館にゆけば日本を代表する名画数点は展示されているだろうと思い、彼を伴って国立博物館に向かった。
 途中、友人が見たことがないという西郷隆盛像や彰義隊墓所を案内しながら博物館へ向かう。天気は快晴、穏やかな陽気で、公園散策に打ってつけの日である。
 国立博物館に入場し、時代別に展示されている歴史的芸術品を観て回りながら江戸時代の展示コーナーにたどり着くと、浮世絵の前に多くの人々が群がっていた。近づいてみると展示解説ボランティアの方による、無料浮世絵解説がおこなわれているではないか。ラッキー、というべきか私はその人ごみのなかに加わり解説されている学芸員の方の声に耳を傾けた。
 ・・・ところが友人がいない。どこに行ったのか?
 彼を見つけた。コーナー中央のソファーにもたれ掛かっている。後で聞いたのだが博物館へ向かう前に相当歩いたために疲れてしまったという。もったない。

 私は浮世絵というものが好きでも嫌いでもない。特に美意識という高尚な視点で浮世絵を観たことはなく、漠然と江戸時代の絵画として眺めていた。眺めていたという表現に誤謬はない。本当に眺めていただけなのだ。
 ところが、そんな私でも学芸員の方の解説を聞きながら浮世絵を観て回ると、不思議と浮世絵の情景が輝いてくる。実に面白い。 
 ある浮世絵は、描かれている人々の目線の先が違う。なぜ目線の先が違うのであろうかと考えた時、人々の背後には凧が描かれていることに気づく。そこから連想するに人々はそれぞれ高く上がった凧や、落ちかけた凧に目線を送っていることが想像できる。と学芸員の方がおっしゃっていた。
 江戸後期にオランダからもたらされた遠近法による作風も、何気に数点の浮世絵の中に観ることができる。それら作品の絵師は遠近法を意識して描いたのか、または無意識にその技を駆使したのかは私にはわからない。事実、浮世絵にその技法が用いられていることは、私の意識にはなかった浮世絵における写実性というものを感じさせてくれた。

 その他、浮世絵に関する詳細なことは専門的なサイトに任せたいが、最後にいいたいことは、どのような絵画にも見所はあるということだ。
 関心のある方は、ぜひ国立博物館に足を運んで頂きたい。


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